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 成年後見を知らないと始まらない!

2017年01月21日

一休法務事務所の司法書士 牧沙緒里です。今年は、様々な変革のある酉年と言われていますが、私たちの生活や、地方のビジネスにはどんな変革があるのでしょうね。少なくとも、前向きな良い変革でありますように!

 今回は、成年後見人の制度について、皆様に考え方のアドバイスをしておきます。

 なんとなく分かっているけれど、詳しくは知らない・・・
 知ったように言っているけれど、実際には経験がないのでわからない・・
という方がまだまだ多いのが現実です。

 しかし、最近では金融機関や不動産売買で“本人確認”が重要視されるようになりました。ご本人様が病気や認知症で判断能力が難しい場合には、成年後見人がなければ財産を動かすことができないのです。

 つまり、お世話になるつもりのない成年後見制度でも、利用せざるを得ないという時代になっています。

 自分の生活の為も、そして財産を扱うビジネスを行う人も、この成年後見制度を知らなければ始まりません。
 特に、不動産や介護、金融を扱う職業の方は、この制度を理解して、使いこなせるかどうかが重要なポイントになってきます。
 
 今日は基本的な、ちょっとしたお話を書いておきますが、この内容をあまり知らないという方は、これから少し勉強されると良いかもしれません。

 まず、成年後見制度は、判断能力が難しい方に財産管理や代理人となる方を選任する制度ですが、

①既に判断能力が難しくなっている方に後見人などを選ぶ→法定後見制度

②自分で元気なうちに後見人になる人を選んでおける→任意後見契約
の2種類の入り口があります。

 ①の制度は、後見人等は、家庭裁判所が選びますので、必ず希望する人に頼めるとは限りません。

 ②の制度は、予め希望する人を選んでおける、予約のようなものです。

細かい違いは色々ありますが、まずは、この入り口の違いについては、必ず知っておきましょう。

 そして、成年後見制度はご本人の財産に対して保守的な「守る」方向に働く制度です。

 お金を横領されていたり、自分で財産管理をすることができない方には非常に良い制度ですが、お持ちの財産に運用資産が多く、判断能力が難しくなった後も、投資行為や運用行為が必要な財産構成の方には、使いにくい部分があります。

 そのような場合には、予め、将来の運用を任せる後継者などと家族信託契約をしておくなどの方法があります。

 2つめのポイントは「運用」を成年後見は苦手とするということです。

一休法務事務所では、今年は、皆様が克服しなければならない分野として、成年後見の分野の情報発信に力を入れて参ります。
セミナーやメルマガなどでも、皆様の生活とビジネスに役に立つ情報をしっかり出していきますので、本年も宜しくお願いいたします。